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もともと、日本人の暮らし方は必要に応じ、家具調度をしつらえて生活した。
冠婚葬祭、春夏秋冬、年中行事に合わせて舗設するのが日本のインテリア・デコレーションである。
二畳台目の茶室にはTPOに合わせての室礼があったから、畳の上には何も置かれていないのが恒常的なインテリアの姿である。
戦争の間は疎開してあった伝来の和箪笥がある。
また、戦後間もなく愚妻が嫁に来るとき持参の和箪笥は、物のないころで、蔵に納めてあった彼女の祖母の嫁入り仕度を流用した。
江戸時代に箪笥のJlS規格ができあがっていたことになる。
建具、タタミも、江戸間、京間の多少の違いはあるものの大略の規格があった。
ところが、戦後はこの伝来の尺貫法の規格が、メートル法や英米流のヤード・ポンド・システムの導入、さらに団地サイズなどという迷惑な規格の登場で混乱を極め、今日に至っている。
家具屋は売れさえすればよいということで、こうした規格の混乱に拍車をかけるように雑多な家具を製作する。
西洋のシステム家具を入れるにしても、日本の家にはうまくはまらないということで、これまた家具の周囲の空間はあけておかなければならない。
太い柱の鉄筋コンクリート造のマンションや団地などの集合住宅では、太い柱のわきなどに、どうしても使いにくいスペースが生まれやすい。
部屋を広く使うコツのひとつは、ムダなすき間をつくらないことだ。
しかし、最近の建売マンションは、こうした羽目の俑縫策として、こうしたムダな空間のできないよう、壁の中へあらかじめムダな空間を閉じ込める設計にしている。
つまり、買い手は知らずにもっとムダな空間を買わされていることになる。
洗面所に置かれた洗濯機のわきや台所の冷蔵庫のわきなどには、ムダなスペースが生まれやすい。
このようなスペースは、それぞれの場所によって、形がさまざまなので、洗面所ならタオルや小物入れ、台所なら調味料の収納棚というように、目的に応じて、小さな棚や箱を日曜大工でつくってみるのも楽しい工夫のひとつである。
明治・大正以来の半可通の西洋館に納めた3点セットの和製洋家具、とくにイスほど始末の悪いものはない。
とくに、円高ドル安にのった舶来の家具もいただけない。
体格のよい北欧人が、しかもハイヒールをはいて使うイスに、短足の日本人のオバサンがすわって、足が床につかずブラブラさせて、スリッパが脱げたという姿など、どう考えてもサマにならない。
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